ガラス作家 小寺暁洋

私はこれまで、たくさんのものづくりの現場を取材してきましたが、個人的に製作中の所作がもっとも美しいと思っているのが、吹きガラスです。

炉のなかに吹き竿の先を入れて溶け出しているガラスをからめとり、息を吹き込むとオレンジ色が灯り、道具などを使ってかたちを整えていく。
液体化しているガラスは、瞬間ごとに姿を変えるので、つくり手の動きは淀みなく、流れていきます。

取材、撮影する側からすると、「今話しかけたら迷惑かな」とか、「ブレるから動きを止めてほしいな」とか、いろいろと大変ではありますが……(笑)。

あたら-もの ディレクター 萩原 健太郎